緑青は高温な方が吹きやすく、作品としても早く仕上げることができます。しかし高温過ぎると成り立たないことが…。成り立たないというのは緑青が吹かないわけではなくて、定着しにくいことがあるということです。無限に時間があれば問題ないのですが、作品として期日までに仕上げなくてはならない都合上、定着しないと困ってしまいます。
以前の記事で、緑青液にみりんを少し入れるということを書いたと思いますが、みりんを入れる大きな理由は、粘り気をつけて、定着するまでに緑青が剥がれにくくするということです。ところがあまりの異常気象による高温が続くと、みりんなどでは歯が立ちません。そこで取った方法は、接着のりをお湯に溶いたものを混ぜるという方法です。
接着のりを混ぜる方法はとても有効で、剥がれにくくなるので緑青が定着しやすくなります。ただし、スプレーする場合には使用後にノズルが詰まってしまう場合があるので、その都度お湯で洗うことが必須です。ちなみに、看板の文字などに緑青を吹かせるときには、仕上げにクリヤー塗料を塗っています。雨などで緑青が流れ落ちたり、周囲を汚してしまうのを防ぐためです。若葉などの作品には何もしません。2カ月もすればガッツリ定着して、少し剥がれても空気中の水分ですぐに復活します。
今では見かけることが少なくなった緑青。銅板造形にて堪能していただければと思います。
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